■心理的負荷強度「強」の具体例=レッドカード
→ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた。
▽パワハラレッドカードの具体例
1.部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を超越しており、
その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつこれが執拗に行われた。
2.同僚等による多人数が結託しての人間性を否定するような言動が執拗に行われた。
3.治療を要する程度の暴行を受けた。
■心理的負荷強度「中」
1.上司の叱責の過程で業務指導の範囲を逸脱した言動があったが、継続していない。
2.同僚等が結託して嫌がらせを行ったが、継続していない。
■心理的負荷強度「弱」
1.複数の同僚等の発言により不快感を覚えた。
(客観的には嫌がらせ、いじめとはいえないものも含む)
■心理的負荷強度「強」の具体例=レッドカード
→セクシュアルハラスメントを受けた。=「中」、+α
▽セクハラレッドカードの具体例
1.胸や腰等への身体接触を含むセクハラであって、継続して行われた場合
2.胸や腰等への身体接触を含むセクハラであって、行為は継続していないが、
会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった又は
会社への相談等の後に職場の人間関係が悪化した場合
3.身体接触のない性的な発言のみのセクハラであって、
発言の中に人格を否定するようなものを含み、かつ継続してなされた場合
4.身体接触のない性的な発言のみのセクハラであって、
性的な発言が継続してなされ、かつ会社がセクハラであると把握していても
適切な対応がなく、改善がなされなかった場合
■心理的強度「中」
1.胸や腰等への身体接触を含むセクハラであっても、行為が継続しておらず、
会社が適切かつ迅速に対応し発病前に解決した場合
2.身体接触のない性的な発言のみのセクハラであって、発言が継続していない場合
3.身体接触のない性的な発言のみのセクハラであって、複数回行われたものの、
会社が適切かつ迅速に対応し発病前にそれが終了した場合
■心理的強度「弱」
1.「〇〇ちゃん」等のセクシュアルハラスメントに当たる発言をされた場合
2.職場内に水着姿の女性のポスター等を掲示された場合
△セクシュアルハラスメント事案の留意事項
セクシュアルハラスメントが原因で対象疾病を発病したとして労災請求がなされた
事案の心理的負荷の評価に際しては、特に次の事項に留意する。
1.セクハラを受けた者(以下「被害者」という。)は、勤務を継続したいとか、
セクハラを行った者(以下「行為者」という。)からのセクハラの被害をできる
だけ軽くしたいとの心理などから、やむを得ず行為者に迎合するようなメール等を
送ることや、行為者の誘いを受け入れることがあるが、これらの事実がセクハラを
受けたことを単純に否定する理由にはならない。
2.被害者は、被害を受けてからすぐに相談行動をとらないことがあるが、
この事実が心理的負荷が弱いと単純に判断する理由にはならない。
3.被害者は、医療機関でもセクハラを受けたということをすぐに話せないことも
あるが、初診時にセクハラの事実を申し立てていないことが心理的負荷が弱いと
単純に判断する理由にはならない。
4.行為者が上司であり被害者が部下である場合、行為者が正規職員であり
被害者が非正規労働者である場合等、行為者が雇用関係上被害者に対して
優越的な立場にある事実は心理的負荷を強める要素となり得る。