労働契約法改正、雇止め法理の法定化(第19条)

▼平成24年8月10日施行

 

最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容で法律に規定された。

一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルール。

 

△条文

(有期労働契約の更新等)
第19条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了

     する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は

     当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、

     使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、

     社会通念上相当であると認められないときは、

     使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で

     当該申込みを承諾したものとみなす。
    (1)当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、

     その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより

     当該有期労働契約を終了させることが、

     期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすること

     により当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できる

     と認められること。
    (2)当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に

     当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由がある

     ものであると認められること。

 

■対象となる有期労働契約

 次の①、②のいずれかに該当する有期労働契約が対象となる。

 

①過去に反復更新された有期労働契約で、

 その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの

東芝柳町工場事件(最高裁 昭和49年7月22日判)の要件を規定したもの

 

②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が

更新されるものと期待することについて合理的な理由(※)があると認められるもの

日立メディコ事件(最高裁 昭和61年12月4日判)の要件を規定したもの

 

(※)・合理的な理由の有無については、最初の有期労働契約の締結時から雇止めされた

  有期労働契約の満了時までの間におけるあらゆる事情が総合的に勘案される。

   ・いったん、労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていたにもかかわらず、

  契約期間の満了前に更新年数や更新回数の上限などを使用者が一方的に宣言した

  としても、そのことのみをもって直ちに合理的な理由の存在が否定されることには

  ならないと解される。

 

■要件と効果

 上記の①、②のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、

「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、

雇止めが認められない。従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新される

 

■必要な手続

 条文化されたルールが適用されるためには、労働者からの有期労働契約の更新の申込

が必要である。

▼契約期間満了後でも遅滞なく申込みをすれば条文化されたルールの対象となる。

 こうした申込みは、使用者による雇止めの意思表示に対して「嫌だ、困る」と言うなど、

労働者による何らかの反対の意思表示が使用者に伝わるものでもかまわないと解される。

▽雇止めの効力について紛争となった場合における「申込み」をしたことの主張・立証

については、労働者が雇止めに異議があることが、例えば、訴訟の提起、紛争調整機関

への申立て、団体交渉などによって使用者に直接または間接に伝えられたことを

概括的に主張・立証すればよいと解される

 

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