第1節 労働者派遣契約
(契約の内容等)
第26条(※第7~11項新設)
7 労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、第一項の規定により労働者派遣契約を締結するに当たっては、あらかじめ、派遣元事業主に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣に係る派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金その他の待遇に関する情報その他の厚生労働省令で定める情報を提供しなければならない。
▼省令
(法第26条第7項の厚生労働省令で定める情報)
第24条の4 法第26条第7項の厚生労働省令で定める情報は、次の各号に掲げる場合の
区分に応じ、それぞれ当該各号に定める情報とする。
(1)労働者派遣契約に、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を
協定対象派遣労働者に限定しないことを定める場合 次の①から⑤までに掲げる情報
①比較対象労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲並びに雇用形
態
②当該比較対象労働者を選定した理由
③当該比較対象労働者の待遇のそれぞれの内容
(昇給、賞与その他の主な待遇がない場合には、その旨を含む。)
④当該比較対象労働者の待遇のそれぞれの性質及び当該待遇を行う目的
⑤当該比較対象労働者の待遇のそれぞれについて、職務の内容、当該職務の内容及び
配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇に係る決定をするに当たって考慮
したもの
(2)労働者派遣契約に、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を
協定対象派遣労働者に限定することを定める場合 次の①及び②に掲げる情報
①法第40条第2項の教育訓練の内容(当該教育訓練がない場合には、その旨)
②第32条の3各号に掲げる福利厚生施設の内容
(当該福利厚生施設がない場合には、その旨)
8 前項の「比較対象労働者」とは、当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする者に雇用される通常の労働者であって、その業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)、並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲が、当該労働者派遣に係る派遣労働者と同一であると見込まれるものその他の当該派遣労働者と待遇を比較すべき労働者として厚生労働省令で定めるものをいう。
▼省令
(法第26条第8項の厚生労働省令で定める者)
第24条の5 法第26条第8項の厚生労働省令で定める者は、次のとおりとする。
①職務の内容並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲が派遣労働者と同一である
と見込まれる通常の労働者
②前号に該当する労働者がいない場合にあっては、職務の内容が派遣労働者と同一で
あると見込まれる通常の労働者
③前2号に該当する労働者がいない場合にあっては、前2号に掲げる者に準ずる労働
9 派遣元事業主は、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者から第7項の規定による情報の提供がないときは、当該者との間で、当該労働者派遣に係る派遣労働者が従事する業務に係る労働者派遣契約を締結してはならない。
10 派遣先は、第7項の情報に変更があつたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、派遣元事業主に対し、当該変更の内容に関する情報を提供しなければならない。
11 労働者派遣の役務の提供を受けようとする者及び派遣先は、当該労働者派遣に関する料金の額について、派遣元事業主が、第30条の4第1項の協定に係る労働者派遣以外の労働者派遣にあっては第30条の3の規定、同項の協定に係る労働者派遣にあっては同項第2号から第5号までに掲げる事項に関する協定の定めを遵守することができるものとなるように配慮しなければならない。
第2節 派遣元事業主の講ずべき措置等
(不合理な待遇の禁止等)※旧(均衡を考慮した待遇の確保)配慮義務から改正
第30条の3 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣先に雇用される通常の労働者の待遇との間において、当該派遣労働者及び通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
2 派遣元事業主は、職務の内容が派遣先に雇用される通常の労働者と同一の派遣労働者であって、当該労働者派遣契約及び当該派遣先における慣行その他の事情からみて、当該派遣先における派遣就業が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該派遣先との雇用関係が終了するまでの全期間における当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、正当な理由がなく、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する当該通常の労働者の待遇に比して不利なものとしてはならない。
第30条の4(※新設)派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その雇用する派遣労働者の待遇(第40条第2項の教育訓練、同条第3項の福利厚生施設その他の厚生労働省令で定めるものに係るものを除く)について、次に掲げる事項を定めたときは、前条の規定は、第1号に掲げる範囲に属する派遣労働者の待遇については適用しない。ただし、第2号、第4号若しくは第5号に掲げる事項であって当該協定で定めたものを遵守していない場合又は第3号に関する当該協定の定めによる公正な評価に取り組んでいない場合は、この限りでない。
(1)その待遇が当該協定で定めるところによることとされる派遣労働者の範囲
(2)前号に掲げる範囲に属する派遣労働者の賃金の決定の方法(次の①及び②(通勤手
当その他の厚生労働省令で定めるものにあっては、①)に該当するものに限る。)
①派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の
額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものであること。
②派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に
関する事項の向上があつた場合に賃金が改善されるものであること。
(3)派遣元事業主は、前号に掲げる賃金の決定の方法により賃金を決定するに当たっ
ては、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実
態に関する事項を公正に評価し、その賃金を決定すること。
(4)第1号に掲げる範囲に属する派遣労働者の待遇(賃金を除く)の決定の方法
(派遣労働者の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣元事業主に雇用され
る通常の労働者(派遣労働者を除く)の待遇との間において、当該派遣労働者及び通常
の労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、
当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮し
て、不合理と認められる相違が生じることとならないものに限る。)
(5)派遣元事業主は、第1号に掲げる範囲に属する派遣労働者に対して第30条の2
第1項の規定による教育訓練を実施すること。
(6)前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 前項の協定を締結した派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、当該協定をその雇用する労働者に周知しなければならない。
▼省令
(法第30条の4第1項第2号の厚生労働省令で定める賃金)
第25条の8 法第30条の4第1項第2号の厚生労働省令で定める賃金は、通勤手当、
家族手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当その他名称の如何を問わず支払われる
賃金(職務の内容に密接に関連して支払われるものを除く)とする。
▼省令
(法第30条の4第1項第6号の厚生労働省令で定める事項)
第25条の10 法第30条の4第1項第6号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおり
とする。
(1)有効期間
(2)法第30条の4第1項第1号に掲げる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限
定する場合には、その理由
(3)派遣元事業主は、特段の事情がない限り、一の労働契約の契約期間中に、当該労
働契約に係る派遣労働者について、派遣先の変更を理由として、協定対象派遣労働者
であるか否かを変更しようとしないこと。
▼省令
(法第30条の4第2項の周知の方法)
第25条の11 法第30条の4第2項の周知は、次のいずれかの方法により行わなければ
ならない。
(1)書面の交付の方法
(2)次のいずれかの方法によることを当該労働者が希望した場合における当該方法
①ファクシミリを利用してする送信の方法
②電子メール等の送信の方法
(3)電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録
し、かつ、労働者が当該記録の内容を常時確認できる方法
(4)常時当該派遣元事業主の各事業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける方法
(法第30条の4第1項の協定の概要について、第1号又は第2号の方法により併せて
周知する場合に限る。)
(職務の内容等を勘案した賃金の決定) ※新設
第30条の5 派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する派遣労働者(第30条の3第2項の派遣労働者及び前条第1項の協定で定めるところによる待遇とされる派遣労働者(協定対象派遣労働者)を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く)を決定するように努めなければならない。
(就業規則の作成の手続)※新設
第30条の6 派遣元事業主は、派遣労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該事業所において雇用する派遣労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めなければならない。
(待遇に関する事項等の説明)※新設
第31条の2 派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。
2 派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(文書の交付等)により、第1号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第2号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
(1)労働条件に関する事項のうち、労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省
令で定める事項以外のものであつて厚生労働省令で定めるもの
(2)第30条の3、第30条の4第1項及び第30条の5の規定により措置を講ずべ
きこととされている事項(労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める
事項及び前号に掲げる事項を除く)に関し講ずることとしている措置の内容
3 派遣元事業主は、労働者派遣(第30条の4第1項の協定に係るものを除く)をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、文書の交付等により、第1号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第2号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
(1)労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項及び前項第1号
に掲げる事項(厚生労働省令で定めるものを除く。)
(2)前項第二号に掲げる措置の内容
4 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあつたときは、当該派遣労働者に対し、当該派遣労働者と第26条第8項に規定する比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに第30条の3から第30条の6までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項を説明しなければならない。
5 派遣元事業主は、派遣労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
▼省令
(法第31条の2第2項の厚生労働省令で定める方法)
第25条の15 法第31条の2第2項の厚生労働省令で定める方法は、次条各号に掲げる
事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを当該派遣労働者が希望した場合
における当該方法とする。
(1)ファクシミリを利用してする送信の方法
(2)電子メール等の送信の方法
(派遣先への通知)※第2項新設
第35条 派遣元事業主は、労働者派遣をするときは、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を派遣先に通知しなければならない。
(2)当該労働者派遣に係る派遣労働者が協定対象派遣労働者であるか否かの別
(派遣元管理台帳)※第1項新設
第37条 派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1)協定対象派遣労働者であるか否かの別
第三節 派遣先の講ずべき事項
(適正な派遣就業の確保等)
第40条(※旧配慮義務から改正)
2 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣労働者を雇用する派遣元事業主からの求めに応じ、当該派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事するその雇用する労働者が従事する業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練については、当該派遣労働者が当該業務に必要な能力を習得することができるようにするため、当該派遣労働者が既に当該業務に必要な能力を有している場合その他厚生労働省令で定める場合を除き、当該派遣労働者に対しても、これを実施する等必要な措置を講じなければならない。
3 派遣先は、当該派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるもの(給食施設、休憩室、更衣室)については、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない。
(派遣先管理台帳)※第1項新設
第43条 派遣先は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1)協定対象派遣労働者であるか否かの別