タクシー・ハイヤー運転者の時間外上限規制、改善基準告示改正

タクシー・ハイヤー運転者の時間外労働の上限規制・改善基準告示改正

R6.4.1

 

■時間外労働の上限規制(改正前は上限無しの青天井)

1.原則

 45時間、年間360時間

 

2.特別条項(臨時的な特別の事情の場合)

 年間960時間

 ※単月・複数月平均の上限、回数制限の適用はなし

 

■改正基準告示

1.拘束時間

拘束時間=労働時間+休憩時間(仮眠時間含む)。

 すなわち、始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束されている全ての時間。

日勤

1カ月

288時間(前299

 

1

13時間(変更なし)、例外15時間(前16

隔勤

1カ月

262時間、例外270時間(変更なし)

 

2暦日

22時間(前21かつ2回平均21時間

 

2.休息期間

業務終了時刻から次の始業時刻までの使用者に拘束を受けない時間。

日勤

1

継続11時間を基本、下限9時間(前継続8

隔勤

2暦日

継続24時間を基本、下限22時間(前継続20

 

3.車庫待ち等の特例

 常態として車庫待ち、駅待ち等の形態によって就労し、以下の要件を満たす者

① 事業場が人口30万人以上の都市に所在していない。

 ② 勤務時間のほとんどについて「流し営業」を行っている実態でない。

 ③ 夜間に4時間以上の仮眠時間が確保される実態である。

 ④ 原則として、事業場内における休憩が確保される実態である。

日勤

1カ月

288時間、例外300時間(前299322

 

1

以下要件により、24時間まで延長可(変更なし)

     勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与える

     116時間超が1カ月7回以内

     夜間4時間以上の仮眠時間を与える(18時間超)

隔勤

1カ月

262時間、例外270時間(変更なし)

 

2暦日

以下要件により、24時間まで延長可

     2暦日22時間超、2回の隔日平均21時間超が

1カ月7回以内(前2暦日21時間、1カ月7回)

     夜間4時間以上の仮眠時間を与える(変更なし)

 

4.予期し得ない事情(新規規定)

予期し得ない事象への対応時間を、1日と2暦日の拘束時間から除くことができる。

1カ月の拘束時間等他の規定からは除くことができない。

・勤務終了後、休息期間が必要。(1日勤務は継続11時間以上、2暦日勤務は継続24

間以上)

 

▲予期し得ない事象とは、次の事象をいう。

運転日報上の記録に加え、客観的な記録(公的機関のHP情報等)が必要。

    運転中に乗務している車両が予期せず故障した

    運転中に予期せず乗船予定のフェリーが欠航した

③  運転中に災害や事故の発生に伴い、道路が封鎖されたこと又は道路が渋滞した

④  異常気象に遭遇し、運転中に正常な運行が困難となった

平常時の交通状況等から事前に発生を予測することが可能な道路渋滞等は、これに該当しない。

 

5.ハイヤー運転手

ハイヤー運転者には、その勤務の実態を踏まえ、タクシー運転者に適用される拘束時

間、休息期間等の規定は適用されない。

 ・時間外労働時間は、1カ月45時間、1年360時間まで

 ・臨時的な特別の事情で限度時間を超えて労働させる場合にも、1年960時間まで

 

6.休日の取り扱い

休日=休息時間+24時間。

日勤

継続33時間以上(924

隔勤

継続46時間以上(2224

 

7.累進歩合制度の廃止

自動車運転者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあり、交通

事故の発生も懸念されることから、廃止。

 

8.休日労働の回数

・休日労働の回数は2週について1回が限度。

 

・時間外及び休日労働によって、拘束時間の上限を超えてはならない。

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